外耳炎、内耳炎でよくある症状
- 耳を引っ張ると強い痛みがする
- 耳の聞こえが戻らない
- 発熱
- リンパ節の腫れ
など
Q&A
外耳炎や内耳炎って、どんな病気ですか?
外耳炎は、鼓膜より外側にある外耳(耳介や外耳道)で起こる炎症です。中でも外耳道で起こっている炎症を、外耳道炎と呼びます。
内耳炎は、中耳のさらに奥、内耳で起こる炎症です。内耳には平衡感覚のバランスを保つ神経細胞があり、内耳炎によって、ふらつき、吐き気、耳鳴りなどの症状を起こすことがありますので注意が必要です。
外耳炎の症状には、どんなものがありますか?
主症状は耳の痛みです。耳を引っ張ったときに痛みが増すケースがよく見られます。
その他、発熱、リンパ節の腫れ、顎を動かしたときの耳の痛みなどの症状を伴うこともあります。
内耳炎の症状には、どんなものがありますか?
耳の聞こえが悪くなる・戻らないといった症状の他、ふらつき、吐き気、耳鳴りなどを伴うことがあります。
症状が見られたときには、どのように対処すればいいですか?
特に内耳炎は、症状の現れ方は急激であったり、緩やかであったりとさまざまです。聞こえにくい状態に慣れてしまい受診が遅れるとそれだけ悪化しますので、最初に聞こえにくさを感じたときに、できるだけ早く耳鼻科を受診するようにしてください。
外耳炎の原因には、どんなものがありますか?
外耳炎は、外耳のどこに炎症が起こるかによって原因が異なります。
耳介に起こる外耳炎の場合、傷からの細菌感染、虫刺され、ヘルペスウイルス感染、湿疹などが原因となっています。
外耳道に起こる外耳炎(外耳道炎)の場合、耳かきをしたときや指で触ったときに刺激・傷が生じて炎症が起こるケースが多く見られます。その他、菌の繁殖しやすい夏や、耳あかが溜まった状態でプールなどに入ることも、外耳炎のリスクを高める要因です。
内耳炎の原因には、どんなものがありますか?
内耳炎は、中耳で起こった病気・症状から波及して起こるケースが多く見られます。
肺炎球菌、インフルエンザ桿菌といった細菌、インフルエンザウイルスの感染の広がり、真珠腫性中耳炎からの炎症の広がりなどが挙げられます。
また、髄膜炎から炎症が内耳へと拡大して、内耳炎を起こすこともあります。
外耳炎の治療は、どのように行われますか?
炎症の要因の1つとなる耳あかをきれいに取り除いた上で消毒します。その後は原因・症状に応じた薬による治療が行われます。ステロイド剤や抗生剤を含んだ塗り薬の塗布、点耳薬・鎮痛剤の使用などです。
内耳炎の治療は、どのように行われますか?
内耳炎の治療では、その原因に対してのアプローチが重要です。
中耳で起こっている炎症からの波及が原因である場合には、中耳の炎症に対する抗生物質を使用します。また、真珠腫性中耳炎が起こっている場合にはその治療(手術)が必要になります。
その他、中耳炎に関連した内耳障害が起こっている場合には、ステロイド剤を用いた治療が行われます。
ただし、ウイルス性の病気を原因とする一過性の内耳炎の場合には、積極的治療ではなく、対症療法(症状を改善する治療)を選択することもあります。
治療において、自分で気をつけることはありますか?
外耳炎の治療中、耳の中がかゆくとも、耳を触ったり、耳かきをしたりしないようにしましょう。かゆくてどうしても我慢できない、というときにはご連絡ください。
耳かきをせずにいて、耳あかが溜まってしまうことはありませんか?
耳にはもともと、自浄作用があります。溜まった耳あかは、気づかないうちに少しずつ排出されており、本来は頻繁な耳かきは必要ありません。ですので短期間耳かきをしなかったからといって、耳あかが溜まって耳が塞がったりすることはありませんのでご安心ください。基本的に、耳かきは月に一度行えば十分です。
ただ、誤った耳かきを行っている場合や、耳あかの質や生活環境によっては、耳あかが過分にたまってしまうことがあります。ご不安な方は、耳鼻科で耳掃除をしてもらったり、正しい耳かきの方法を教わるのも良いでしょう。